本研究の目的は、軍事郵便と従軍日記をパーソナルメディアととらえ、1)軍事郵便の制度史の側面を学術的に明らかにする。2)出版社や自費出版の形で公刊されている従軍日記や、個人蔵の従軍日記が、研究機関において現在どれほど存在するのかという所在調査を実施し、その規模と広がりを明らかにする。3)これらの軍事郵便と従軍日記を解読し、兵士の視点による戦争観や対外観の特質を明らかにする。また、4)先行研究やこれまでの調査で所在が明らかにされている地域において実地調査や聞き取りを行うことによって、パーソナルメディアと地域社会との相互作用を明らかにすることである。
軍事郵便の史的考察を行う場合二つの方向性がある。第一に制度史的研究である。制度史については、先行研究の徹底的な批判研究と、逓信総合博物館、切手の博物館などの郵便制度に特化した博物館・研究施設において制度史の資料を収集し研究する。実際の軍事郵便のやり取りの際に参考にされていたと考えられる、書籍以外の資料であるパンフレットやマニュアル類などを重点的に研究する。
第二に発信人と受取人が明らかで、数としてある程度まとまったものの所在が判明している地域の実地調査である。
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